『絵で読む広島の原爆』で知る、広島の原爆
広島の原爆について知る方法には、被爆者の証言や写真、映像、文学作品など、さまざまなものがあります。
そのなかで、原爆によって広島にどのような被害が生じたのかだけでなく、当時の街の様子や人々の暮らし、原爆が生まれた背景、核兵器の仕組みや放射線による影響まで、幅広い内容を扱っているのが、那須正幹さんの『絵で読む広島の原爆』です。
1995年に刊行された本で、文章を児童文学作家の那須正幹さん、絵を画家の西村繁男さんが担当しています。文章と絵を通して、広島の原爆についてさまざまな角度から知ることができる一冊です。英語版もあり、日本語だけでなく英語でも読むことができます。
今回は、広島で何が起きたのかを歴史や科学、当時の街の様子などから幅広く知ることのできる『絵で読む広島の原爆』についてご紹介します。
作者・那須正幹さん自身も広島で被爆
『絵で読む広島の原爆』の文章を手がけた那須正幹さんは、1942年に広島市で生まれ、3歳のときに被爆しました。
本書では、那須さん自身の体験だけを描くのではなく、生存者の証言などももとに、広島で起きた出来事を広い視点から描いています。
そのため、特定の人物の体験を中心に物語を追うのではなく、広島という街全体でどのような被害が生じたのかを知ることができる構成になっています。
また、絵を担当した西村繁男さんは、実際の広島の街を取材し、当時の建物や街並み、人々の様子などを細かく描いています。
作者自身の被爆体験を出発点としながらも、さまざまな資料や証言をもとに広島全体の被爆状況を描いていることが、本書の特徴の一つです。
原爆について、さまざまな角度から知る
本書では、1945年8月6日に広島で起きた出来事だけでなく、原爆が生まれた背景や、当時の広島の様子についても描かれています。
第二次世界大戦中の国際情勢や核兵器の開発について触れながら、広島への原爆投下へとつながった背景を紹介しています。
さらに、核兵器の仕組みや、爆発によって生じた熱線・爆風、放射線による影響などについても取り上げています。
原爆によって広島にどのような被害が生じたのかを知るだけでなく、その背景や科学的な側面にも目を向けることで、原爆についてより広い視点から知ることができます。
被爆の状況だけに焦点を当てるのではなく、歴史や科学など複数の側面から扱っていることが、『絵で読む広島の原爆』ならではの特徴といえるでしょう。
絵を通して見る、当時の広島
また本書の大きな特徴の一つが、タイトルにもあるように「絵」を通して内容を知ることができる点です。
西村繁男さんによる絵では、当時の広島の街並みや建物、人々の様子などが細かく描かれています。
文章だけでは想像しにくい街の様子や、原爆によって変化した広島の姿も、絵を見ることで具体的にイメージすることができます。
また、原爆の仕組みや放射線による影響など、言葉だけでは難しく感じる内容についても、絵と文章を組み合わせて説明されています。
「絵本」と聞くと子ども向けの簡単な内容を想像するかもしれませんが、本書では歴史的な背景や科学的な内容まで幅広く扱われています。
そのため、原爆について初めて学ぶ方が全体を知るための一冊としても、これまで学んできた内容を別の角度から捉え直すための一冊としても読むことができます。
Hotel Small Worldで、広島について知る時間を
Hotel Small Worldは、「平和」をコンセプトとしたホテルです。滞在を通して、広島で起きた出来事や平和について、少しでも考える時間を過ごしていただければという思いから、客室には広島の歴史や原爆、平和に関するさまざまな資料を用意しています。
本だけでなく、写真やDVDなどもあり、それぞれの資料を通して広島について知ることができます。今回ご紹介した『絵で読む広島の原爆』も客室でご覧いただけます。
広島の街を観光したあとに、その日に訪れた場所について本や写真を通して振り返ってみるなど、旅の中でゆっくりと資料に触れる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
広島の歴史や平和について知る方法は、さまざまです。本や写真、映像など、残された記録に触れることも、その一つといえるでしょう。
Hotel Small Worldでの滞在が、広島で起きた出来事や、この街が歩んできた歴史について知るきっかけとなれば幸いです。